介護業界では、労働力不足が深刻化している中、2019年に在留資格である「特定技能」の中に介護が設けられたことで、介護業界における外国人雇用が「大きな解決策の一つ」としてさらに注目度を高め、採用領域において急拡大しています。
私自身、通所介護施設で事業責任者として外国人材の採用に関わってきた経験から、そのメリットと課題についてそれぞれ記載していきたいと思います。
目次
【外国人材の採用がもたらすメリット】
労働力確保と離職率低減への貢献
私が働いていた会社では、年間3~5名ほどの外国人スタッフを採用しており、その結果として離職率の低減に成功しました。これは、外国人スタッフが意欲的で長期的に安定した働き方を志向するケースが多いため、現場の安定化につながりました。彼らは日本での生活を安定させたいという思いから、職場に定着しやすく、現場にとっても貴重な労働力となりました。
多様な文化や視点の導入
外国人材の採用は、会社や施設に多様な文化や視点をもたらし、ご利用者様との新たなコミュニケーションを生み出します。
たとえば、外国の文化や生活習慣に興味を持つ高齢者との会話が広がり、従来にはない交流が生まれることもあります。異なるバックグラウンドを持つ人材がチームに加わることで、柔軟な発想や新しい視点が現場に取り入れられ、業務改善にもつながることも多々ありました。特にレクリエーションの工作では、日本では見たこともない。
【外国人材の活用における課題】
日本文化の理解と実践の難しさ
実体験として、外国人スタッフが和食の配膳や伝統的なマナーを理解しきれておらず、現場でのオペレーションに課題が生じることがありました。特に、食事の際の配膳方法や、高齢者との接し方において、日本ならではの文化やしきたりをどう伝え、実践させるかが一つの壁となります。
コミュニケーションの難しさ
年配者特有の言い回しや日本語のニュアンスは、外国人スタッフにとって大きなハードルかと思います。私の経験でも、外国人スタッフがご利用者様の伝えようとしている細かな表現を理解できず、コミュニケーションに苦労する場面が見られました。このような場合、現場の日本人スタッフがサポートすることで徐々に改善されましたが、日常的に言語や文化の壁を感じる場面は少なくありません。また、このような接遇に関わることに関しては、ご利用者様だけではなく、ご家族や関係機関に対する説明や報告を密に行うことで理解を得るなどし、リスクマネジメントも行なっておりました。
業務マニュアルの整備の難しさ
外国人材に対して業務マニュアルを作成する際、日本人スタッフ向けのマニュアルをそのまま活用するのは困難です。文化や言語の違いを考慮した説明や、より具体的な手順を明確にする必要があり、翻訳ツールなどを使用しても日本語特有の表現などに対応できず、より理解不能な成果物となってしまいます。
その作成には手間と工夫が求められるため、私が管轄していた施設では、現行で機能している日本語の業務マニュアルを外国人労働者の母国語に合わせて翻訳を行なってくださる専門の会社に依頼し作成していただくなど、細かなところまで受け入れとしての体制を整備しておりました。
今振り返ると、これを怠っていたら、業務の効率化が難しくなるだけでなく、スタッフのフラストレーションを加速し、混乱やモチベーションの低下、最悪は離職につながるリスクもあったと考えています。
【外国人材の活用を成功させるために】
外国人材を活用することで、介護業界の人材不足解消や新たな価値を提供できる一方で、日本文化や言語への適応には十分なサポートが必要となります。
具体的には、現場でのトレーニングを強化するだけではなく、文化や言葉の違いを超えたコミュニケーションに対する創意工夫が求められます。また、外国人スタッフが持つ文化的な背景を理解し、それを活かしながらチームとしての一体感を築いていくことが、重要であると考えています。
私の経験から言えることは、専門の期間などを交えて、適切なサポート体制が整えば、外国人材は介護現場にとって大きな力となることを経験しています。そのポテンシャルとアティチュードを最大限に引き出すために、経営層から現場まで会社全体での取り組みが必須です。
~弊社のサポート内容~
株式会社グローバークスでは、以下のサポートを通じて、特定技能者の受け入れとその後の定着を全面的に支援します。
●書類準備と手続き代行:ビザ申請や労働契約など、必要な手続きを迅速に行います。
●入国後の生活サポート:住宅の手配や生活面でのフォローを行い、特定技能者が日本の環境に早く馴染むようサポートします。
●定期的なフォローアップ:定期的に面談を実施し、特定技能者が安心して働けるようにサポートを続けます。
● 6カ国語対応:英語、中国語、ベトナム語、シンハラ語(スリランカ)、ビルマ語(ミャンマー)、タガログ語(フィリピン)で対応いたします。
特定技能者を受け入れることで、介護の現場に新しい風をもたらし、もっと多様な環境を作ることができます。私たちは、企業と一緒に、外国人材を安心して受け入れられる環境を作り、みんなにとって良い関係を築いていきます。
ぜひ、貴社の介護分野における人材ニーズにお応えするために、お手伝いさせていただければ幸いです。ご質問やご相談がありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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■ この記事を書いた人
株式会社グローバークス Chief Operating Officer
石川 彰一
高校卒業後、訪問販売営業からキャリアをスタート、営業成績全社1位を2度獲得。その後運送会社の人事部門、運営管理部門を経て、約8年間介護施設の運営会社に勤務。マネージャーとして現場のマネジメント、経営企画、新規事業責任者など幅広く経験。広くヒトに関わる領域の課題解決を得意としている。2024年COOとしてグローバークスに入社。趣味は愛犬と戯れること。