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グローバークス海外リクルーティングアドバイザーが語る訪問記:フィリピンの州立大学と提携

更新日:3月2日

こんにちは!グローバークスリクルーティングアドバイザーの谷口です。

2025年2月24日、フィリピンのパンガシナン州にあるPangasinan Polytechnic College様(以下PPC)を訪問し、産学連携について話してまいりました。この訪問は、フィリピンの教育機関との連携を深め、日本企業と現地人材との橋渡しを強化するための重要なステップとなりました。


Pangasinan Polytechnic Collegeの概要

PPCは、フィリピンの首都マニラから車で6時間ほど北上したところにある自然豊かなパンガシナン州にある州立大学です。州政府によって設立された公立の高等教育機関で、地元住民に無料で質の高い教育を提供しています。昨年2024年に設立された新設の大学で、1期生の卒業は、2028年です。アグリビジネス学部、マルチメディア学部、公共行政学部、特別支援教育学部の4つの学部で構成され、現在、700名以上の学生が在籍しています。これらのコースは、パンガシナン州のニーズに応じて設計されており、地域社会の発展に寄与する人材の育成を目指しています。

今回、私たちは、PPCが提供する質の高い教育を受けた学生が日本のテクノロジーを学び、優秀な人材を育成するためのインターンシッププログラム、寄付講座を紹介するためにPPCを訪れました。

大学へ到着すると、フィリピンでは月曜日恒例の日本でいう朝礼のようなものが行われており、職員、学生たち一同が温かく私たちを迎え入れてくれました。そこで、短く話す機会をいただけたので、弊社代表の森永より、日本の人手不足の状況や外国人材が日本の将来にとって必要だという旨の話をしました。学生たちは、目を輝かせて聞き入っていました。彼らのような大学へ行く目的が明確で学習意欲の高い学生たちに高い可能性を感じた一幕でした。


インターンシッププログラム、寄附講座の紹介

会議には、PPC学長を含めて7名の職員が参加されました。学生たちが日本の技術を学びながら国際感覚を養うことができるインターンシッププログラムと寄付講座のご提案を行い、職員一同から強い関心が寄せられました。農業分野ではフィリピンは、まだまだ手作業で農業をしているところがほとんどで、フィリピンの農業の発展にも期待が感じられました。また、マルチメディア学部ではIT関連の授業も開設されており、ITエンジニアの育成が必須の日本企業との親和性を感じました

PPCは、現在4学部で構成されていますが、今後、医療系や自動車関連など地域のニーズに沿った授業を提供していく予定であるとのお話もいただきました。

PPCは新設大学ですが、すでに700名以上の学生がいます。ほとんどの学生が大学に入学する目的は明確です。「将来、良い仕事に就くため」です。恥ずかしながら、日本では「周りが大学に行くから私も行く」「まだ就職したくないから大学に行く」という人が少なからずいます。しかし、フィリピン、特にパンガシナンのようにマニラ中心部から離れた地域の人々にとって、専門的知識を身につけ、学位を取得することは就職活動をする上で非常に大切なことです。

しかし、残念ながら経済的理由によって途中で大学を辞めざるを得ない学生たちもいます。大学の授業料は無料です。しかし、大学へ通学するための毎日の交通費、また大学で授業を受けている間は、仕事ができないという理由から日々の生活に困窮する学生たちも一定数います。苦しい状況の中でも大学での学習を選択するということは、PPCの学生たちの仕事への強い意志だと私は解釈しています。


意思決定の速さ

フィリピンのイメージでは、多くの人は、南国でゆっくりしたイメージを持たれることが多いです。しかし、PPCは、このミーティングの中でインターンシップ、寄付講座に関する疑問をすべて解消し覚書を交わす決定をされました。このスピード感には驚くばかりでしたが、新設大学でこれから成長していく大学だということを実感しました。

州立大学のため、通常、決裁には時間がかかり、州の許可を得なければならないこともたくさんあります。いろいろな制約がある中、それでも今回、グローバークスが提案したインターンシッププログラムと寄付講座は、学生のためになるプロジェクトだと理解していただいた結果だと思っています。様々な思いを背負って大学で勉強をする学生のためになるのであればと、大学側も多大な配慮をしてくださったことに私たちも大変感謝しております。

覚書の資料を準備している間、私たちは、大学の職員さんたちにパンガシナンを案内していただきました。

まず訪れたのは、パンガシナンの歴史が詰まった博物館です。パンガシナン州は、実は、江戸時代から日本とのつながりがある地域で、海に面したこの地域からいろいろな国と貿易を行っていました。

博物館周辺は、まだ建設途中のところもありますが、博物館の屋上から見た南シナ海の景色は、忙しい毎日を忘れ、リラックスできるのんびりとした風景でした。

次に州政府の議事堂です。ちょうど議会の真っ最中でしたが、州知事のお部屋にも入らせていただきました。また、議会の最中でしたが、委員の皆様は、日本から来た私たちにおもてなしをしてくださり、一緒に写真撮影までさせていただきました。

PPCは州立大学のため、州政府とのつながりが強いです。以前、州政府と協働で日本との架け橋になろうというお声をいただいておりました。パンガシナン州は、農業や漁業が主要産業です。日本では、これらの業界は高齢化も進み、産業を維持することが大きな課題となっています。州政府の後押しの下、日本の企業様や自治体と連携を強化し、日本の価値ある産業の人手不足による衰退を防ぎ、進化・発展していくことに貢献したいと考えます。

そんなことをしている内に、大学側では、書類の準備をすでに完了していただいていました。

私たちも書類に目を通し、間違いがないことを確認し、職員全員が参加の下、MOU締結の式典を開き、覚書にサインをしました。私たちは、PPCの職員の思いを背負っているという意識を持ち、身が引き締まる覚書の締結となりました。


フィリピンの州立大学と提携:今後の展望

今後、フィリピンの州立大学と提携を深め、PPCとのパートナーシップの下、さらなる日本企業との連携強化に努めて参りたいと考えます。フィリピンの州立大学と提携し、高い専門性を備えた大学生に日本の高い技術力をレクチャーし、大学を卒業後、即戦力となりうる高度専門人材の育成を目指します。彼らの高い専門性と技術力は、フィリピンの産業発展に寄与するだけでなく、日本の人手不足を補い、さらには他の外国人労働者をリードする存在になってくれると確信しています。

また、州のバックアップによる自治体間連携ができることを期待しています。人材交流を通じて、フィリピン人が日本で働く機会を提供するだけでなく、逆に日本企業がパンガシナン州で新しくビジネスを始めるきっかけにもなると考えています。フィリピンでは圧倒的な買い手市場のため、現在日本が直面しているような人材採用の面での問題は起こらないと考えます。

一方で、異文化ということも忘れてはいけません。私たち日本人が当たり前だと考えていることは、フィリピンでは当たり前ではないことも多々あります。お互いの文化を理解し、尊重し、共生していける社会の実現のために、グローバークスとして両者の間でサポートさせていただきたいと考えております。

今回のPPC訪問は、日本とフィリピンの教育・産業分野における新たな協力関係を築く第一歩となりました。フィリピン、パンガシナン、PPCに大きな可能性を感じるとともに、日本産業の発展のイメージも持つことができました。今後も、現地の教育機関や企業との連携を深め、双方にとって有益なプロジェクトを推進してまいります。


フィリピン人を受け入れたい企業様へ

フィリピンの特徴は、アジア圏では珍しく英語が公用語の国であるということです。若い人のみならず、年配の方でも英語を話すことができる人が多いです。また、何と言っても、ホスピタリティの高さがフィリピン人の大きな特徴です。年上の人を敬う、お客様をもてなすというのが、文化として染みついています。人をもてなす能力は、お客様だけでなく、会社の中で社員同士のコミュニケーションを円滑にし、社内のチーム力をさらに高める役割を担ってくれるはずです。

そんな会社にとって大きな役割を果たしてくれるフィリピン人雇用を考えてみませんか?

フィリピン人材の詳細については、こちらの記事をご覧ください。


企業様がフィリピン人を採用する際には、他の国籍の方々とは異なる手続きが必要となります。フィリピン独特の制度があり、これに則ったリクルートをする必要があります。一見、煩雑で時間がかかるように感じられますが、お手続きに関しては、弊社が責任を持って、サポートさせていただきます。また弊社は出入国在留管理庁認定の登録支援機関として、入社後のサポートも実施いたします。初めて外国人材を採用される企業様、外国人雇用に不安がある企業様にご安心してサービスを受けていただけるよう、誠心誠意対応して参ります。お気軽お問い合わせください。


~弊社のサポート内容~

株式会社グローバークスでは、以下のサポートを通じて、特定技能者の受け入れとその後の定着を全面的に支援します。


●書類準備と手続き代行:ビザ申請や労働契約など、必要な手続きを迅速に行います。

●入国後の生活サポート:住宅の手配や生活面でのフォローを行い、特定技能者が日本の環境に早く馴染むようサポートします。

●定期的なフォローアップ:定期的に面談を実施し、特定技能者が安心して働けるようにサポートを続けます。

● 7カ国語対応:日本語、英語、中国語、ベトナム語、シンハラ語(スリランカ)、ビルマ語(ミャンマー)、タガログ語(フィリピン)で対応いたします。



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■ この記事を書いた人

谷口 宏(たにぐち ひろし)

株式会社グローバークスのChief Marketing Officerである趙小雨氏が船上で撮影した写真。専門分野は動画制作、デジタルマーケティング、インフルエンサーマネジメント。

株式会社グローバークスのリクルーティングアドバイザー。日本出身。

2008年 筑波大学 工学基礎学科卒業

2014年 早稲田大学大学院 スポーツ科学科 修了

大学卒業後、カナダ・アルバータ大学女子バレー部コーチを経て、日本の公私学教諭。退職後、フィリピン大学で教鞭をとりつつDLS(Digital Language School)を設立。外国人就職支援のオンライン日本語教育を展開。社会的課題「共生社会構築」を掲げ、2024年よりグローバークス外部パートナーとして活動。同社の理念に共鸣し、2025年に正社員として入社。


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