【介護×特定技能】外国人材が支える日本の介護現場|制度と支援を徹底解説
- 小雨 趙
- 6 日前
- 読了時間: 7分
こんにちは、グローバークスのセナです。私はインドネシア出身の元介護福祉士で、これまで日本の介護施設で勤務してきました。今回は、厚生労働省より『特定技能外国人とともに育つよりよい職場づくり』の受け入れに必要な支援に関するガイドブックより日本の介護業界での人材不足の解決策の一つとして「特定技能外国人」についてまとめてお伝えします。
特定技能外国人の介護業界参入とその支援ガイド:日本の未来を担う鍵とは?
日本の介護人材不足と特定技能制度の背景
日本は急速な高齢化により、深刻な介護人材不足に直面しています。そこで注目されているのが「特定技能外国人制度」。近年、日本の介護業界では人材不足が深刻化しており、その解決策の一つとして「特定技能外国人」の受け入れが注目されています。
2019年に開始されたこの制度は、外国人が一定の技能と日本語力を有していれば、介護業界などで働くことを可能にします。 この3年間で5,000人以上の外国人が介護分野に就職。主にベトナムやミャンマーなどの若者が来日し、業界の新しい担い手として活躍しています。2021年末時点で、介護分野に従事する特定技能外国人は5,000人を超え、その多くがベトナム、インドネシア、フィリピンなどから来日しています。

特定技能外国人の特徴とは?
特定技能制度で介護業界に従事する外国人の多くは、若年層(18~29歳)であり、母国では大学や専門学校を卒業し、看護・介護に関する資格を持っている人材も多いのが現状です。彼らは日本語能力試験(主に N4~N3相当)をクリアし、さらに介護技能評価試験にも合格する必要があります。
興味深いのは、約7割の外国人が「介護福祉士国家資格を取得したい」と回答している点です。理由としては、日本で長く働きたいという希望や、専門職としての地位を得たいというモチベーションが挙げられます。
外国人材のプロファイル:数字で見る実態
出身国:半数以上がベトナム出身
年齢層:約72%が18〜29歳
日本語力:N3レベルが最多(48.2%)
学歴:大学・大学院卒が40%
資格保有率:看護・介護の資格所有者が約半数
彼らはすでに国内で働いた経験がある場合も多く、即戦力として期待されています。
言語とスキルの壁:N3レベルが最多も職場での課題は多い 日本語能力がN3でも、専門用語や職場での会話に苦労するケースが多発。職場での引継ぎや申し送りが正確に伝わらず、誤解が生じることも。これは受け入れ側の支援体制の整備がカギとなります。

教育とサポート体制が成功の鍵
外国人が安心して働ける環境づくりには、職場内での教育支援や生活サポートが欠かせません。実際に、日本語や介護技術の学習支援を受けている人の方が、仕事への満足度も高く、職場への定着率も良好であるという調査結果があります。
介護記録の読み書きや職場での申し送りといった実務的な日本語の壁もまだまだ大きいですが、その解決策として、丁寧な指導やICTを活用した学習プログラムの導入が有効とされています。
職場の支援体制がカギ:学習支援で満足度が向上支援体制が整った法人ほど、外国人職員の仕事満足度が高く、長期定着率も向上。
教育支援例:
動画教材での学習
初任者研修のサポート
個別のキャリア相談
日本語と介護知識の同時学習支援
また、同じ出身国の先輩が相談役として配置されているケースも多く、精神的な安心感にもつながっています。
登録支援機関の役割と選び方
登録支援機関のサポートは、外国人本人だけでなく受け入れ法人にとっても重要な存在です。現在では、介護分野に対応できる登録支援機関は65%以上存在し、中でも学習支援やキャリア形成に力を入れている機関も増加中。
支援機関選びで重視されるのは「費用の妥当性」「支援内容の充実」「担当者の対応力」など。介護事業者が制度をうまく活用し、長期的な人材確保に繋げていくには、信頼できるパートナーの存在が不可欠です。
登録支援機関の選び方:費用と支援内容のバランスが重要 82.6%の法人が登録支援機関を利用していますが、選定の際は以下がポイント:
ポイント | 比率 |
費用が適正 | 70.8% |
支援内容がニーズに合っている | 66.5% |
担当者が専任である | 58.4% |
特定技能外国人とともに育つ職場へ
多様な文化と価値観を持つ特定技能外国人は、介護現場に新しい風を吹き込んでいます。その一方で、制度の煩雑さや現場のコミュニケーション課題、資格取得の壁など、まだ多くの課題が残っています。
それでも、日本の介護業界にとって彼らの存在は希望の光です。今後は、より実践的で包括的な支援が求められるでしょう。
現場のリアルな声:法人の取り組み事例から学ぶ
晋栄福祉会(大阪):
グローバル委員会設置
登録支援機関を使わず独自支援
インドネシア語対応の案内板設置
洛和会(京都):
アシスト制度導入
YouTube・Zoomでの学習支援
国家試験対策プログラムを実施
特定技能制度の課題と今後の展望
課題:
手続きの煩雑さ(62.4%が問題視)
入国手続きの遅延
情報不足
展望:
介護業界でのICT導入拡大
登録支援機関同士の連携強化
インドネシア・ミャンマーからの受け入れ拡大
よくある質問(FAQ)
Q1. 特定技能外国人とは何ですか?A. 日本で人手不足が深刻な分野において、一定の技術と日本語能力を持つ外国人が働ける在留資格です。
Q2. どの国から来る人が多いの?A. ベトナムが圧倒的に多く、次いでミャンマー、インドネシアが注目されています。
Q3. 日本語が話せなくても働けますか?A. 基本的にN4以上の日本語能力が求められますが、職場での支援や教育によって対応が可能です。
Q4. どんな支援があるの?A. 日本語学習、介護知識、キャリア相談など多岐に渡る支援が用意されています。
Q5. 国家資格は取れますか?A. はい。約70%の外国人が介護福祉士国家資格の取得を目指しています。
Q6. 特定技能制度のデメリットは?A. 手続きが複雑であったり、支援体制が法人によって差がある点です。
まとめ:特定技能外国人の活躍が日本の介護を救う!
介護業界は今、外国人材なしでは成り立たない時代に突入しています。ただ「受け入れる」だけでなく、「支援する」「育てる」姿勢が法人にも問われています。
介護分野での外国人雇用をお考えの法人様へ
株式会社グローバークスでは、以下のサポートを通じて、特定技能者の受け入れとその後の定着を全面的に支援します。
●書類準備と手続き代行:ビザ申請や労働契約など、必要な手続きを迅速に行います。
●入国後の生活サポート:住宅の手配や生活面でのフォローを行い、特定技能者が日本の環境に早く馴染むようサポートします。
●定期的なフォローアップ:定期的に面談を実施し、特定技能者が安心して働けるようにサポートを続けます。
●8カ国語対応:日本語、英語、中国語、ベトナム語、シンハラ語(スリランカ)、ビルマ語(ミャンマー)、タガログ語(フィリピン)、インドネシア語で対応いたします。
外国人労働者が日本で活躍できる環境づくりを目指し、人手不足の解消と企業の成長に向けて、心を込めてサポートさせていただきます。貴社のニーズに合わせた最適な人材のご紹介ができるよう、全力でお手伝いさせていただきます。
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■ この記事を書いた人
ロフビグ アディ セナ
インドネシア出身、千葉県在住。介護福祉士/日本語能力試験1級中学時代より日本語に興味があり、独学しながら日本に行く夢を持つ。2017年にインドネシアの看護大学を卒業した後、2018年留学生として来日。石川県の日本語学校にて1年間勉強したのち、介護専門学校に進学し、介護福祉士国家資格を取得。その後、介護士として4年間勤務。介護現場での経験と語学力を活かして外国人労働者をサポートしたいという思いから2025年グローバークスに入社。