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不法滞在者の見分け方は?在留カードの確認方法や外国人雇用時の注意点を解説

  • 3 日前
  • 読了時間: 19分

外国人を採用する企業には、本人が適法に在留し、予定する業務に従事できるかを適切に確認することが求められます。不法滞在や不法就労の可能性は、国籍や外見、言動などから推測するのではなく、在留カードなどの公的書類や公的な照会手段をもとに判断することが重要です。


本記事では、不法滞在の基本的な考え方から、採用時の確認手順、在留カードで確認すべき項目、偽造カードの見分け方まで解説します。さらに、2026年6月から始まった新様式の在留カード・特定在留カードの確認方法や、在留期限切れ・申請中など判断に迷いやすいケース、企業が行うべき対策も紹介します。外国人を適正に受け入れる体制づくりの参考にしてみてください。



不法滞在とは

不法滞在には、在留期限を過ぎて滞在する「不法残留」のほか、適法な上陸許可を受けずに滞在する「不法入国・不法上陸」などがあります。また、不法滞在と不法就労は意味が異なるため、外国人を採用する企業はそれぞれの違いを正しく理解しておくことが重要です。ここでは、不法滞在の主な種類と不法就労との違いについて解説します。


在留期限を過ぎて滞在する「不法残留(オーバーステイ)」

不法残留(オーバーステイ)とは、適法に日本へ入国・上陸した外国人が、認められた在留期間を過ぎても日本に滞在している状態です。たとえば、「短期滞在」「留学」「技能実習」などの在留資格で適法に滞在していた場合でも、必要な手続きをせず在留期限を超えて滞在すれば、不法残留に該当します。出入国在留管理庁によると、2026年1月1日時点の不法残留者数は6万8,488人です。


不法残留者は原則として退去強制手続きの対象となります。また、本人が地方出入国在留管理官署へ出頭しただけでは、不法残留の状態が直ちに解消されるわけではありません。企業が外国人を採用する際は、本人の申告だけで判断せず、在留期限や必要な手続きの状況を公的な情報に基づいて確認することが重要です。


適法な上陸許可を受けずに滞在する「不法入国・不法上陸」

不法入国・不法上陸は、適法な手続きを経ずに日本へ入国・上陸する行為です。外国人が日本へ上陸する際には原則として上陸審査を受け、入国審査官から上陸許可を受ける必要があります。上陸審査を受けず、許可を得ないまま上陸した場合は、不法入国または不法上陸に該当し、退去強制や刑事罰の対象となります。


不法残留との大きな違いは、日本での滞在を開始した時点の適法性です。不法残留は、もともとは適法に入国・上陸したものの、その後に在留期限を超えて滞在している状態です。一方、不法入国・不法上陸は、適法な入国・上陸手続きを経ていないことが問題となります。いずれも不法滞在に関係しますが、その経緯は区別して理解しておく必要があります。


不法滞在と不法就労の違い

不法滞在と不法就労は意味が異なります。不法滞在は、不法入国・不法上陸や在留期限を超えた不法残留など、日本に適法に滞在していない状態を指します。一方、不法就労は、外国人が日本で認められていない就労活動を行うことです。


不法就労には、不法滞在者が働くケースだけでなく、適法に在留している外国人が、現在の在留資格で認められていない仕事に従事したり、資格外活動許可で認められた範囲を超えて働いたりするケースも含まれます。そのため、在留期限内であることだけを確認しても、不法就労を防げるとは限りません。企業は採用時に在留資格や就労制限、資格外活動許可などを確認し、採用予定の業務に従事できるかを判断する必要があります。



採用時に不法滞在・不法就労を見分ける確認手順


外国人を採用する際は、国籍や外見などから判断するのではなく、在留カードなどの公的書類をもとに在留状況や就労可否を確認することが重要です。また、在留資格が有効でも、担当する業務や勤務条件によっては就労が認められない場合があります。ここでは、採用時に不法滞在・不法就労を防ぐための具体的な確認手順について解説します。


在留カードなどの原本で本人確認をする

採用内定後など就労可否を正式に確認する段階では、コピーや画像ではなく、公的書類の原本の提示を受ける必要があります。中長期在留者であれば在留カード、特別永住者であれば特別永住者証明書など、本人の在留状況に応じた書類が確認対象です。原本確認を起点にすることで、後続の在留期限・就労制限・真偽確認を同じ書類に基づいて進めやすくなります。


ただし、採用選考の段階から在留カードの提示を一律に求めると、公正な採用選考の観点で問題となる可能性があります。厚生労働省は、採用選考時には在留資格などを口頭または書面で確認し、採用内定後に在留カードで就労可能か確認する方法を示しています。選考時の確認と内定後の原本確認を分け、確認するタイミングを社内で統一しておくことが大切です。


在留期限と更新・変更申請の状況を確認する

原本を確認した後は、在留期間の満了日を確認し、雇用開始日や契約期間との関係を整理します。満了日が近い、またはすでに経過している場合は、更新・変更申請の有無を本人に確認し、申請中であればカード裏面の記載や受付完了メールなど、申請経路に応じた資料で申請事実を確かめます。ここでは期限の日付だけで結論を出さず、追加確認が必要なケースを切り分けることが目的です。


確認結果は、満了日だけでなく、申請の種類や確認に用いた資料もあわせて記録しておくと、入社時や契約更新時の再確認につなげやすくなります。期限を確認した段階で不明点が残る場合は、就労可否の判断を先に進めず、申請状況を確認してから次の手順へ進みます。


在留資格と就労制限の有無を確認する

次に、在留カード表面の在留資格と就労制限の表示を確認し、追加でどの書類・項目を確認すべきかを切り分けます。就労制限がない場合、在留資格に基づく就労のみ認められる場合、指定された活動のみ認められる場合、原則として就労できない場合では、その後に確認すべき内容が異なります。この段階では職種名だけで可否を決めず、確認ルートを整理することがポイントです。


たとえば、「指定書により指定された就労活動のみ可」と表示されている場合は指定書、「就労不可」であれば裏面の資格外活動許可欄の確認が必要です。就労資格の場合は、最後に実際の担当業務との一致を確認します。このように表示内容ごとに次の確認先を決めておくことは、確認漏れの防止に有効です。判断材料が不足する場合は、地方出入国在留管理官署への確認も検討しましょう。


資格外活動許可の有無と条件を確認する

前の手順で資格外活動許可の確認が必要と判断した場合は、在留カード裏面の「資格外活動許可欄」を確認します。カードの記載だけで許可内容を把握できない場合は、資格外活動許可書や旅券の証印シールなど、許可条件を確認できる資料もあわせて確認します。ここでは単に許可の有無を見るのではなく、採用予定の働き方を許可内容と照合できる状態にすることが重要です。


許可内容を確認したら、採用予定の業務内容、所定労働時間、勤務日数などを照合し、条件内で雇用できるかを判断します。複数の勤務先で働いている場合は、自社だけの勤務時間を見て判断せず、本人から他社での就労状況も確認して、許可された範囲を超えないよう管理することが必要です。採用時の確認結果を勤務管理へ引き継ぐことで、入社後の条件超過を防ぎやすくなります。


在留カードの真偽・失効情報を確認する

券面上の項目確認が終わったら、公的な照会手段を使った追加確認が必要です。在留カード等読取アプリケーションではICチップの情報と券面を照合し、在留カード等番号失効情報照会ではカード番号の失効情報を確認します。両方の確認を行う段階を採用フローに組み込むことは、担当者による確認方法のばらつきや、目視確認だけで手続きを終える事態の防止に有効です。


確認した際は、確認日や使用した照会手段、結果を社内で記録しておくと、後から確認経緯を追いやすくなります。読取結果と券面が一致しない、正常に読み取れない、失効情報が確認されたなどの不一致がある場合は、自己判断で手続きを進めず、原因の確認が必要です。偽変造の具体的な見分け方や各照会結果の考え方は、後の「偽造在留カードを見分ける方法」で詳しく確認できます。


在留資格で認められた活動と担当業務が一致するか確認する

最後に、採用後に担当してもらう具体的な業務が、その外国人の在留資格で認められた活動に該当するかを確認します。在留カードの表示だけでは個々の業務との適合性まで判断できないため、実際の職務内容を具体化して照合する必要があります。


たとえば、採用時には職種名だけで判断せず、雇用契約書や職務記述書などで担当業務を具体化したうえで、在留資格の活動範囲と照合します。判断が難しい場合は、本人が就労資格証明書を取得して活動範囲を確認する方法もあります。資格と業務の対応が不明確なまま就労を開始させないことが、不法就労を防ぐうえで重要です。



在留カードで確認すべき項目

在留カードには、本人確認に必要な情報だけでなく、就労の可否や在留期限など、外国人を適正に雇用するための重要な情報が記載されています。確認漏れを防ぐためにも、採用時にチェックすべき項目をあらかじめ把握しておくことが大切です。ここでは、在留カードで確認すべき主な項目について解説します。


顔写真・氏名・生年月日が本人と一致しているか

在留カードを確認するときは、まず顔写真と本人の顔を見比べ、氏名や生年月日などの本人情報に相違がないか確認します。在留カードは中長期在留者に交付される公的な身分証明書であり、氏名、生年月日、性別、国籍・地域などの情報が記載されています。カードが真正なものであっても、他人の在留カードを使用している可能性があるため、カードの情報だけを見るのではなく本人との照合が重要です。


また、2026年6月14日以降に交付される新様式では、1歳以上の人について顔写真が表示されます。本人確認では国籍や外見から在留状況を推測せず、在留カードに記載された客観的な情報を基準に判断しましょう。


在留資格と就労制限の有無

外国人を雇用する際は、在留カードに記載された「在留資格」と「就労制限の有無」を確認します。「就労制限なし」であれば原則として就労内容に制限はありませんが、「在留資格に基づく就労活動のみ可」などと記載されている場合は、認められた活動の範囲内で働く必要があります。「指定書により指定された就労活動のみ可」とある場合は、指定書も確認しなければなりません。


一方、「就労不可」と記載されていても、資格外活動許可を受けていれば一定の範囲で働ける場合があります。そのため、「就労不可」という表示だけで判断せず、裏面の資格外活動許可欄まで確認し、採用予定の業務に従事できるかを判断することが大切です。


資格外活動許可欄

在留資格で認められている活動以外で報酬を得る場合は、原則として資格外活動許可が必要です。資格外活動許可を受けている中長期在留者については、在留カード裏面の「資格外活動許可欄」に許可の要旨が記載されます。「許可(原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く)」などの記載がある場合は、その条件を守った範囲で就労できます。


また、個別に活動内容が指定されているケースでは、資格外活動許可書やパスポートの証印シールも確認します。資格外活動許可があることだけで就労可否を判断せず、許可された業務の範囲や勤務時間などの条件まで確認し、予定している働き方が許可内容に収まっているかを確かめることが重要です。


在留期間・有効期間

在留カードでは、在留期間の満了日を確認し、採用時点で適法に在留できる状態かを確かめます。永住者や高度専門職2号などを除き、16歳以上の場合、在留カードの有効期間は原則として在留期間の満了日までです。一方、永住者などは在留期間に期限がなくても在留カード自体には有効期間があるため、「在留期間」と「カードの有効期間」は区別して確認する必要があります。


なお、2026年6月14日から交付されている新様式では、従来のカードにあった「在留期間」など一部の情報が券面から省略されています。ただし、「在留期間の満了日」や「在留カードの有効期限満了日」は確認できるため、新旧の様式に応じて必要な項目を確認しましょう。


更新・変更申請中の記載

旧様式の在留カードでは、窓口で在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請を行った場合、原則として裏面の「在留期間更新等許可申請欄」に申請中である旨が記載されます。確認するときは、表面の満了日だけでなく裏面まで見て、申請中の表示があるかを確認します。申請中の表示は審査結果を示すものではないため、「申請中」と「許可済み」を混同しないことも大切です。


一方、オンライン申請ではカード裏面に申請中の表示がされないため、裏面だけでは申請状況を確認できません。その場合は、本人が提示する受付完了メールなど、申請を受け付けたことが分かる資料で補います。カードに記載がないケースがあることを前提に、申請方法に応じて確認資料を使い分けることが、この項目を確認する際のポイントです。



在留カードを持っていなくても不法滞在とは限らない

在留カードを所持していないからといって、直ちに不法滞在と判断することはできません。在留カードは原則として中長期在留者に交付されるもので、「短期滞在」「外交」「公用」の在留資格を持つ人や、在留期間が3月以下の人などは交付対象外です。また、特別永住者には在留カードではなく「特別永住者証明書」が交付されます。


さらに、16歳未満の中長期在留者は在留カードの常時携帯義務が免除されています。一方、在留カードの交付対象となる16歳以上の中長期在留者には原則として常時携帯義務があります。


そのため、企業が外国人の在留状況を確認する際は、単に「在留カードを持っているか」だけで判断せず、本人の在留資格や在留カードの交付対象者に該当するかを確認することが重要です。特に採用を予定している場合は、就労が認められている在留資格・条件であるかまで公的書類をもとに確認しましょう。



在留期限が切れていても不法滞在ではないケース


在留カードに記載された在留期限を過ぎていても、直ちに不法滞在になるとは限りません。在留期間が満了する前に在留期間更新許可申請または在留資格変更許可申請を行い、満了日までに処分が決まらなかった場合は「特例期間」が適用されます。この場合、処分がされるとき、または在留期間の満了日から2か月が経過する日のいずれか早い時点まで、従前の在留資格で適法に在留し、従前の活動を続けることが可能です。


期限を過ぎている人を確認する場合は、①更新・変更申請を在留期間の満了前に行っているか、②申請に対する処分がまだ出ていないか、③従前の満了日から2か月を経過していないか、の順に状況を整理すると判断しやすくなります。確認資料は、窓口申請ならカード裏面の申請中表示、オンライン申請なら受付完了メールなどを用います。期限切れという一点ではなく、特例期間の条件を満たしているかを確認しましょう。



2026年6月開始の新様式の在留カード・特定在留カードの確認方法

2026年6月14日から在留カードの様式が変更され、あわせて在留カードとマイナンバーカードの機能を一体化した特定在留カードの運用も始まりました。新様式では券面に記載されない項目もあるため、企業は従来との違いを理解して確認することが重要です。ここでは、新様式の在留カードと特定在留カードの特徴や確認方法について解説します。


新様式では在留期間など券面に記載されない項目がある

2026年6月14日以降に交付される新様式の在留カードでは、従来のカードで券面に記載されていた「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」「交付年月日」が記載されなくなりました。一方、氏名、生年月日、国籍・地域、在留資格、在留期間の満了日、就労制限の有無など、外国人を雇用する際に重要となる情報は引き続き券面で確認できます。


券面からなくなった情報はICチップに記録される仕組みです。そのため、企業の採用担当者は従来の在留カードと同じ項目がすべて券面に表示されているとは限らないことを理解しておく必要があります。なお、2026年6月13日以前に交付された旧様式の在留カードも有効期間内であれば引き続き使用できるため、新旧の様式が併存する点にも注意しましょう。


在留期間などは在留カード等読取アプリで確認する

新様式の在留カードは、出入国在留管理庁が提供する「在留カード等読取アプリケーション」でICチップを読み取り、券面情報との照合が可能です。氏名や在留資格、在留期間の満了日、就労制限の有無、資格外活動許可の有無などが表示されるため、券面だけでなくICチップの情報も確認することで偽変造対策につながります。利用時は本人の同意を得たうえでカードの提示を受けることが必要です。


2026年8月19日にリリースされた改修版では、新様式で券面から省略された「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」も同アプリで確認できるようになりました。確認に使用する端末のアプリを最新版へ更新し、ICチップから読み取った情報と券面を照合しましょう。なお、アプリを利用できないなど在留期間を確認できない場合は、本人の住民票で確認する方法もあります。


特定在留カードは在留カードとマイナンバーカードの機能が一体化している

2026年6月14日からは、在留カードにマイナンバーカードの機能を持たせた「特定在留カード」の運用も始まりました。希望する中長期在留者などが所定の申請を行うことで交付を受けられ、これまで別々に所持していた在留カードとマイナンバーカードの機能を1枚にまとめられます。特定在留カードの裏面にはマイナンバーも記載されます。


企業が外国人の在留・就労状況を確認する際は、通常の新様式在留カードと同様に、在留資格、在留期間の満了日、就労制限、資格外活動許可などを確認します。また、特定在留カードではデジタル庁の「マイナンバーカード対面確認アプリ」から在留期間などの情報を読み取ることも可能です。通常の在留カードと特定在留カードが併存するため、それぞれの特徴と確認方法を把握しておきましょう。



偽造在留カードを見分ける方法

在留カードには、ICチップのほか、ホログラムや光学的変化インキなどの偽変造防止対策が施されています。ただし、近年は券面の偽造技術が精巧化しているため、見た目だけで判断せず、公的な確認手段を併用することが重要です。


具体的には、出入国在留管理庁が提供する「在留カード等読取アプリケーション」でICチップの情報を読み取り、券面の氏名や顔写真などと一致しているか確認します。さらに「在留カード等番号失効情報照会」で、カード番号と有効期間の満了日から失効の有無を確認しましょう。実在する有効なカード番号を悪用した偽造カードも確認されているため、失効情報照会だけで真正性を判断することはできません。アプリで正常に読み取れない場合や券面と読取結果が異なる場合など、偽変造が疑われるときは地方出入国在留管理官署へ問い合わせることが大切です。



不法滞在・不法就労を防ぐために企業が行うべき対策

不法滞在・不法就労を防ぐには、採用時だけでなく、雇用後も在留状況を適切に管理できる体制を整えることが重要です。採用時に確認した在留資格や在留期限、資格外活動許可の有無などを社内で記録し、在留期限が近づいた従業員には更新手続きの状況を確認できる運用を設けましょう。また、担当業務を変更する場合は、新しい業務が本人の在留資格で認められている範囲に含まれるかを改めて確認する必要があります。


さらに、外国人を雇い入れた場合や離職した場合は、在留資格「外交」「公用」の人と特別永住者を除き、外国人雇用状況の届出が必要です。確認方法や就労可否の判断に迷ったときに担当者だけで判断せず、ハローワークや地方出入国在留管理官署などへ確認する社内ルールも決めておくと、不法就労の防止につながります。



不法滞在者・不法就労者を雇用した場合の企業リスク

不法滞在者や、在留資格で認められていない活動に従事する外国人を働かせた場合、企業側も「不法就労助長罪」に問われる可能性があります。不法就労をさせたり、業としてあっせんしたりした場合は、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方の対象です。なお、2027年4月1日からは、5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、またはその両方へ法定刑が引き上げられます。


また、「不法就労とは知らなかった」という場合でも、在留資格の有無や就労可否を確認していないなど、企業側に過失があれば処罰を免れないことがあります。刑事罰に加えて、不適切な外国人雇用が明らかになれば、採用手順や在留期限の管理方法、配置判断などを見直す必要が生じ、採用・労務管理の運用にも影響しかねません。確認記録が残っていない場合は、どの段階で判断を誤ったのか検証しにくくなります。企業リスクを抑えるには、個々の担当者の経験に頼らず、確認項目と判断経緯を社内で追える管理体制を整えることが重要です。



不法滞在・不法就労が疑われる場合の対応


不法滞在や不法就労の疑いが生じた場合は、就労可否が確認できていない状態のまま新たに就労を開始させたり、対象外の業務へ配置したりせず、まず疑いが生じた理由を整理します。たとえば、在留期限、申請状況、就労制限、資格外活動許可、カードの読取結果など、どの項目に不一致や不明点があるのかを切り分け、確認に使用した書類や照会結果を残しておくと、その後の相談を進めやすくなります。


事実関係を整理しても判断できない場合は、地方出入国在留管理官署などの公的機関へ相談します。在留資格で認められる活動と実際の業務の対応が分かりにくい場合には、就労資格証明書などを確認材料にする方法も選択肢です。また、不法滞在や偽装滞在が疑われる情報については、出入国在留管理庁が情報提供を受け付けています。疑いだけで本人を不法滞在者と決めつけず、確認できた事実と不明点を分けて対応しましょう。



不法滞在の見分け方は在留カードと公的情報を基準にしよう

外国人の不法滞在や不法就労は、国籍や外見、本人の申告だけで見分けられるものではありません。企業は在留カードなどの公的書類を確認し、在留期限だけでなく、在留資格や就労制限、資格外活動許可、更新・変更申請の状況まで確認することが重要です。


また、偽造カードへの対策として、在留カード等読取アプリケーションや失効情報照会などの公的な確認手段も活用しましょう。新様式の在留カードや特定在留カードなど制度変更にも対応し、採用時だけでなく雇用後も在留期限や担当業務を継続的に管理することが大切です。判断に迷う場合は自己判断を避け、地方出入国在留管理官署などへ相談し、適正な外国人雇用につなげましょう。



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