なぜ2年目から手取りが減るのか|在日外国人が知っておくべき「住民税」の仕組みと注意点
- 成美 太田
- 12月17日
- 読了時間: 4分
こんにちは!グローバークス代表の森永です。
私は、外国人材専門の人材紹介会社を経営し、日々、在日外国人の方々とキャリア面談・転職相談を行っています。
その中で、日本語能力が高く、仕事にも慣れてきた2年目以降の方から、特に多い質問があります。
「給料はほとんど変わっていないのに、手取りが減った」
「転職して年収は上がったのに、思ったほど残らない」
「住民税って、なぜ今払っているんですか?」
これらの疑問の多くは、住民税の仕組みを知ることで整理できます。

住民税は「今の収入」ではなく「去年の収入」にかかる
まず、最も重要なポイントです。
住民税は、前年の所得をもとに計算される税金です。
この点が、所得税との大きな違いです。
今年働いた分 → 今年すぐ払う税金:所得税
去年働いた分 → 今年払う税金:住民税
つまり、1年遅れて請求される税金だと言えます。
なぜ2年目から急に手取りが減るのか
キャリア面談でよくあるケースを整理すると、こうなります。
日本で働き始めた1年目
前年は日本での収入がほぼない
住民税の計算対象がない
住民税はほぼゼロ
日本で働き始めた2年目
1年目の収入が確定
その収入をもとに住民税が計算される
6月頃から住民税の支払いが始まる
結果として、「何も変わっていないのに、 2年目から急に手取りが減った」と感じることになります。
これは制度上、非常によくある現象であり、ミスや不正ではありません。
転職・昇給後に「想定外の住民税」が来る理由
N2以上の高度人材の方ほど、次の状況に当てはまります。
転職による年収アップ
昇給・賞与の増加
残業・手当の安定化
これらはすべて、翌年の住民税に反映されます。
そのため、転職した年は手取りが増えたと感じる が、翌年は住民税が増え、思ったほど残らないというズレが生じます。
理屈は理解できても、実感として納得しにくい ——これが、多くの方が感じる違和感の正体です。
退職・転職後こそ「住民税」に注意が必要
キャリア面談で、特に注意を促しているのがこの点です。
住民税は、退職しても支払い義務が消えません。
理由はシンプルです。
住民税は「すでに確定した前年の所得」に対する税金
働いていなくても、請求は続く
よくあるケース
転職の間に無職期間がある
帰国準備中で収入がない
フリーランス・起業に切り替えた
この場合でも、「去年の収入分の住民税」は、自分で納付する必要があります。
知らずにいると、
納付書が突然届く
一括請求に驚く
資金繰りが苦しくなる
といった事態になりがちです。
高度人材ほど「分かっているつもり」で見落としやすい
住民税は制度としてはシンプルですが、
転職タイミング
在留資格の変更
帰国・永住の予定
家族構成の変化
によって、実務上の影響は人それぞれ異なります。
キャリア面談では、「制度はなんとなく知っていたが、 自分のケースでどうなるか考えていなかった」という声をよく聞きます。
住民税は「キャリア設計」とセットで考えるべき
年収や職種だけでキャリアを考えると、 住民税の影響は後回しになりがちです。
しかし実際には、
転職のタイミング
年収アップの実質効果
一時的な無職期間のリスク
を考える上で、住民税は無視できません。
人材紹介の立場から、FP相談を勧める理由
私たち人材紹介会社は、 キャリアや求人選びの専門家ではありますが、
税金の最適化
支払いスケジュールの整理
将来を見据えた資金計画
までを個別に設計する立場ではありません。
だからこそ、「住民税を含めて一度整理した方がいい」
と感じる方には、ファイナンシャルプランナー(FP)への相談を勧めています。
無料相談で「住民税の不安」を整理する
マネードットコムでは、 FPへの無料相談が可能です。
自分の住民税額が妥当か知りたい
転職・退職後の支払いを整理したい
将来のキャリア計画と合わせて考えたい
こうした相談は、まさにFPの専門分野です。
不安を曖昧なままにせず、一度プロと一緒に整理してみることをお勧めします。
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■ この記事を書いた人
株式会社グローバークス 代表取締役
森永 健太

新卒で川崎重工業(株)に入社後、海外営業および新卒採用リクルーター業務に従事。優秀な外国人の同僚の活躍を目の当たりにする中で、日本の良い製品・サービス・文化を世界に広めるには外国人材の活躍が不可欠であると実感。「外国人財の活躍促進による日本社会の活性化」を通じて、日本企業の国際競争力の向上、労働力不足の解消に貢献したいという思いから、株式会社グローバークスを設立。 中国語および英語対応可(HSK6級、TOEIC905)
慶應義塾大学大学院修了(経営学修士) / 中小企業診断士





