【人事・労務担当者必見】外国人社員の年末調整「海外送金の扶養控除」完全ガイド!準備・注意点・問い合わせ対応まで徹底解説

こんにちは!グローバークスのリクルーティングアドバイザー、西原です。
秋から冬にかけて、人事・労務担当者様を悩ませるのが「年末調整」の業務です。特に、特定技能をはじめとする外国人材を受け入れている企業様では、「国外居住親族に係る扶養控除」に関する手続きや社内からの問い合わせに追われるケースが増加しています。
「外国人の従業員から『母国の家族にお金を送っているから安くなる?』と聞かれたが、条件が複雑で分からない」
「提出してもらった送金明細が合っているのか判断できない」
「母国語の資料で日本語翻訳資料は必要なのか」
このようなお悩みをお持ちではありませんか?
本記事では、受け入れ企業の担当者様が年末調整の時期に戸惑わず、円滑に業務を進められるよう、控除の基本条件・必要書類・注意点から外国人社員へのサポートのコツまで分かりやすく解説します。
1. なぜ外国人社員の扶養控除対応(サポート)が重要なのか?
外国人材(特定技能・技人国など)にとって、母国の家族への仕送りは生活の大きな部分を占めています。
年末調整で正しく扶養控除の手続きを行うことで、所得税の還付や住民税の軽減といった直接的な経済的メリットが得られます。
しかし、日本の税制や必要書類のルールは複雑であり、言語の壁もあって外国人社員自身だけで完璧に書類を揃えるのは困難です。
企業側が丁寧な案内やサポートを行うことは、業務の円滑化だけでなく、「自分たちの生活を親身にサポートしてくれる会社だ」という信頼感を生み、外国人材の定着率向上に直結します。
2. 国外居住親族に係る扶養控除の適用要件
令和5年(2023年)分以降の税法改正により、海外に住む家族の扶養控除(30歳以上70歳未満)の要件が厳格化されています。まずは基礎知識を整理しておきましょう。
対象となる年齢・要件と送金額
対象の年齢区分 | 必要な条件 | 送金額の条件 |
16歳〜29歳 | 海外に居住する親族(6親等内の血族 / 3親等内の姻族) | 制限なし(1万円等の少額でも可) |
30歳〜69歳 | 以下のいずれかに該当すること ① 外国の大学等へ留学している② 障害者である③ 控除対象者から年間38万円以上の送金を受けている | ①② 制限なし③ 年間38万円以上 |
70歳以上 | 海外に居住する親族 | 制限なし(1万円等の少額でも可) |
3. よくある質問:「16歳未満の子どもへ送金している場合」はどうなる?
外国人社員から特に多く寄せられるのが「母国にいる小さな子ども(16歳未満)にお金を送っているけれど、税金は安くなる?」という質問です。
結論:所得税の扶養控除(還付)は「対象外」です
日本の税制上、16歳未満のお子さんは「年少扶養親族」となり、国内・国外問わず所得税の扶養控除の対象外です(児童手当制度等との兼ね合いによるもの)。
所得税の年末調整: 控除額は0円となるため、原則として送金明細の提出は不要です。
住民税の非課税判定: 本人の年収が低い場合、住民税の非課税限度額の計算(扶養人数のカウント)には含まれます。ただし、この適用を受けるには「親族関係書類」と「送金関係書類」の提出が必要となります。
【現場での対応アドバイス】
社員には「16歳未満のお子さんへの送金は、年末調整でお金が戻ってくる対象にはなりません」と明確に伝えてあげると混乱を防げます。
4. 提出してもらう必要書類とチェックのポイント
外国人社員から書類を受け取る際、不備が出やすいポイントをまとめました。
① 親族関係書類
家族であることを証明する母国の公的書類です。
出生証明書、婚姻証明書、戸籍謄本など(※パスポートのコピーも併せて提出してもらうとスムーズです)
重要: 外国語で書かれている場合は、「日本語訳(和訳)」の添付が必須です。
子供 | 自分の両親 | 自分の兄弟姉妹 | 自分の祖父母 |
・子供の出生証明書 | ・自分の出生証明書 | ・自分の出生証明書・兄弟姉妹の出生証 明書 | ・自分の出生証明書 ・両親の出生証明書 |
配偶者(夫/妻) | 配偶者の両親 | 配偶者の兄弟姉妹 | 配偶者の祖父母 |
・結婚証明書 | ・結婚証明書 ・配偶者の両親の出 生証明書 | ・結婚証明書 ・配偶者の出生証明書 ・配偶者の兄弟姉妹の 出生証明書 | ・結婚証明書 ・配偶者の出生証明書 ・配偶者の両親の出生 証明書 |
② 送金関係書類
その年に、本人からその家族へお金を送ったことを証明する書類です。(銀行の送金控え、SBIレミットやPayForex等の利用明細など)
⚠️最重要ポイント(名義の確認):
扶養に入れる家族「一人ひとり」の口座名義宛てに送金されているかを確認してください。例えば、父親と母親の2人を扶養に入れる場合、父親の口座だけにまとめて送金した明細では母親分の扶養控除は認められません。

5. 外国人社員へのスムーズな案内・定着につなげるコツ
12月の給与計算時期に書類不備で慌てないために、企業側で以下のような体制・工夫を整えておくことが推奨されます。
早めの案内とわかりやすい表現(やさしい日本語・多言語)専門用語が多い年末調整の案内は、専門用語を避け「やさしい日本語」や図解、あるいはLINE・チャット等で手軽に確認できる形式で展開しましょう。
翻訳作業のフォロー書類の和訳は本人(または知人)が行っても問題ありませんが、フォーマットを用意したり、書き方がわからない場合の相談窓口を設けておくと安心です。
早めのスケジュール設定海外からの書類郵送や翻訳には時間がかかります。一般の日本人社員よりも1〜2週間ほど早い提出期限を設定しておくと、確認・差し戻しの余裕が生まれます。
まとめ:正しい知識と適切なサポートで外国人材との信頼関係を深めましょう
海外送金の扶養控除手続きは、要件の確認や書類チェックなど担当者様にとっても負担の大きい業務です。
しかし、正しく理解してサポートを行うことで、外国人社員の不安を解消し、会社へのエンゲージメントを高める絶好の機会にもなります。
弊社では、特定技能人材の受け入れ支援をはじめ、外国人材が安心して働ける労務サポート・生活定着支援を行っております。外国人材の受け入れや労務管理でお困りの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。
~弊社のサポート内容~
株式会社グローバークスでは、以下のサポートを通じて、特定技能者の受け入れとその後の定着を全面的に支援します。
●書類準備と手続き代行:ビザ申請や労働契約など、必要な手続きを迅速に行います。
●入国後の生活サポート:住宅の手配や生活面でのフォローを行い、特定技能者が日本の環境に早く馴染むようサポートします。
●定期的なフォローアップ:定期的に面談を実施し、特定技能者が安心して働けるようにサポートを続けます。
● 8カ国語対応:日本語、英語、中国語、ベトナム語、シンハラ語(スリランカ)、ビルマ語(ミャンマー)、タガログ語(フィリピン)、インドネシア語で対応いたします。
外国人労働者が日本で活躍できる環境づくりを目指し、人手不足の解消と企業の成長に向けて、心を込めてサポートさせていただきます。貴社のニーズに合わせた最適な人材のご紹介ができるよう、全力でお手伝いさせていただきます。
もし、ご質問やご相談がありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
▼ お問い合わせページへはこちら ▼
■ この記事を書いた人
西原 詩香(にしはら しいか)
株式会社グローバークスのリクルーティングアドバイザー。生まれも育ちも日本の日本国籍だが、両親がベトナム出身。幼少期から家庭ではベトナム語で会話していたため、ベトナム語もネイティブレベル。毎年1回はベトナムに帰省しており、ベトナムの文化・慣習にも精通。
そのような背景から、日本在住のベトナム人を支援したいと考え、日本語教師の資格を取得。その後、監理団体に入社し、ベトナム人技能実習生の翻訳通訳及びサポート、来日後の生活指導、日本語教育に従事。
その後グローバークスに入社し、自身のルーツを強みに、企業と外国人財の架け橋になることを目指している。





