ミンガラーバー(こんにちは)!グローバークス 代表の森永です。
6/11(火)~15(土)の期間、ミャンマー連邦共和国へ出張いたしました。
今回は4日間で計9か所、4社の送り出し機関、2校の日本語学校、介護施設(実習先)、レストラン(実習先)、ローカルの人材紹介会社を訪問させていただきました。
その中で最も印象的だったのは、弊社からのご紹介で石川県の飲食店様へ内定した特定技能(外食)の人材に初めて対面でお会いし、彼女たちの実習先を見学できたことです。
弊社が提携する送り出し機関では、飲食店の内定後にミャンマー現地の日本食レストランで実習を行います。調理場では包丁や火の使い方をプロの料理人から学びます。
実習先レストランのミャンマー人オーナー(日本の飲食業界で約30年の実務経験あり)が直々に指導役を務めています。この方は日本の飲食業界に精通しており、日本人の衛生観念もよく理解されているため、即戦力に近い人材を送り出すことが可能です。
ヤンゴンの日本食レストランでの飲食店実習 特定技能(外食)の内定者たちが飲食日本語を学習中
教材は内定先の実際のメニューを使用
調理場実習の様子(写真は送り出し機関より提供)
左から弊社代表、弊社紹介の内定者2名、実習先の講師(日本通のミャンマー人)
弊社提携先の送り出し機関では、特定技能「介護」の内定者も現地の介護施設での実習を行います。今回は実習先の介護施設も訪問しました。内定者たちはここで1か月間、週6日間の密度の濃い実習を行います。介護現場の大変さややりがいを実感したうえで来日しますので、就業後のギャップが少なくなることが最大のメリットだと感じました。
また、仏教徒のミャンマー人にとって、お年寄りのお世話をすることは当然という感覚があり、介護のお仕事に対する心理的ハードルが日本人よりも低いことも特徴です。また、お年寄りのお世話をするが功徳を積むことにもつながるため、「お給料をもらいながら功徳も積むことができる介護職は人気がある」という興味深いお話も聞きました。
ヤンゴン郊外の介護施設を視察 特定技能(介護)の内定者たちが実際の入居者を相手に実践的な実習を行う
現地の日本語学校も訪問させていただきました。13歳~20代前半の若いミャンマー人たちが、日本での就職を目指して日本語の学習に励んでいました。日本で働くことの魅力、大変さ、日本で活躍するミャンマー人の実例等をお伝えさせていただきました。
日本語学校の視察
ヤンゴンのタンリン地区にある尼寺も訪問しました。内戦の激しい地方から逃れてきた中高生がこの尼寺で学び、週末には日本語教室も開校されていました。教師は日本語学習経験のあるミャンマー人のボランティアで、授業料は無料です。日本人と会うのは初めての学生さんも多く、日本に関する様々なご質問をいただきました。
尼寺の日本語教室訪問の様子
提携先送り出し機関との意見交換の様子
◆所感
私は2017年にもミャンマーを訪れたことがありますが、当時と比較して様々な面で変化がございました。
ミャンマーは2021年2月の軍事クーデター発生後、欧米各国からの経済制裁により、失業者増加、通貨暴落、物価急上昇に見舞われ、生活困窮者が増加しています。賃金は変わらないまま物価は3倍となり、停電も頻発しています。
また、地方ではミャンマー国軍と反乱軍の内戦も継続しており、故郷からヤンゴンへ逃れてきた若者も多くいました。ヤンゴンでは昼間の治安は比較的良いですが、夜は街灯も少なく、クーデター前に比べて治安も悪化いていることから、一人で出歩くには危険が伴う状況でした。
ヤンゴンの市場にて撮影 昼間は活気があり人通りも多いが、夜の外出は制限されている
このような状況下、家族の生活を支えるために海外で働きたい若者が急増しています。
出稼ぎ先としては、先進国の中で最もミャンマー人に対して在留資格がおりやすいと言われる日本が非常に人気です。さらに、親日的な国民性に加え、仏教文化など親和性も高いことも手伝い、空前の日本就職ブームとなっています。
仏寺(シュエダゴンパゴダ)内で撮影 仏像の前で憩う市民たち 仏教は生活の中に深く浸透している
ミャンマーは現在アジアで最も平均賃金が低い国の一つであり、国内の平均月収は1〜2万円です。 円安や賃金水準の停滞により日本で働くことの賃金的魅力は相対的に下がってきていますが、ミャンマー国内と比べると10倍以上の稼ぎになります。このような背景に加え、治安の良さ、清潔さ、日本という国に対する総合的なイメージの良さから、ミャンマー人が日本に来るモチベーションは非常に高いことを実感しました。
日本国内でも、ミャンマー人に対するイメージは向上してきている印象があります。
弊社のクライアント企業様や提携先の短期大学様などからは、ミャンマー人の真面目さや日本語習得の早さ(ビルマ語と日本語は文法が同じであるため)から、ミャンマー人の候補者を紹介してほしいというお声をいただくことが増えて参りました。ミャンマーの送り出し機関との連携も深めてまいります。
弊社では引き続き、外国人材のご紹介に注力し、日本企業の人手不足解消や国際競争力の向上に貢献して参ります。
株式会社グローバークス
代表取締役 森永健太(中小企業診断士)
提携先送り出し機関の日本語学習者たち 年齢層は10代後半~20代前半
■ この記事を書いた人
株式会社グローバークス 代表取締役
森永 健太
新卒で川崎重工業(株)に入社後、海外営業および新卒採用リクルーター業務に従事。その間、優秀な外国人の同僚の活躍を目の当たりにする中で、日本の良い製品・サービス・文化を世界に広めるには外国人材の活躍が不可欠であると実感。「外国人財の活躍促進による日本社会の活性化」を通じて、日本企業の国際競争力の向上、労働力不足の解消に貢献したいという思いから、株式会社グローバークスを設立。
慶應義塾大学大学院修了(経営学修士) / 中小企業診断士