top of page

外国人の社会保険とは?加入条件・手続き・企業が知っておくべき注意点を解説

  • 7月23日
  • 読了時間: 14分

外国人の社会保険について、加入条件や手続き、社会保障協定・脱退一時金、企業が注意すべきポイントを解説します。



外国人従業員を雇用する際、「社会保険には加入させる必要があるのか」「日本人と同じ基準で判断してよいのか」と疑問を持つ担当者も多いのではないでしょうか。外国人であっても、一定の条件を満たせば健康保険や厚生年金保険、雇用保険などの加入対象となります。また、社会保障協定や脱退一時金など、外国人雇用ならではの制度についても理解しておくことが重要です。社会保険の加入漏れや手続きミスは、法令違反や労務トラブルにつながる可能性があります。


本記事では、外国人の社会保険の基本的な仕組みから加入条件、必要な手続き、企業が知っておきたい制度や注意点まで詳しく解説します。外国人雇用を適切に進めるための参考にしてみてください。



外国人も社会保険への加入が必要

外国人従業員も、一定の条件を満たす場合は日本人従業員と同じく社会保険への加入が必要です。ここでは、外国人が社会保険の対象となる理由や基本的な考え方について解説します。


外国人も日本人と同じく社会保険の対象

外国人従業員であっても、日本国内の適用事業所で働き、所定の加入条件を満たす場合は、日本人従業員と同じく社会保険の対象になります。健康保険や厚生年金保険は、国籍ではなく勤務先の適用状況や労働時間、雇用形態などによって加入可否を判断する制度です。


そのため、外国人だから加入しなくてよい、短期間の雇用だから一律で対象外になる、という扱いはできません。企業は在留資格の確認だけでなく、労働条件に応じて社会保険の適用有無を確認し、必要な手続きを進めることが重要です。


社会保険と労働保険の違い

社会保険と労働保険は、どちらも従業員を保護する公的保険制度ですが、対象となるリスクや制度内容が異なります。


主な違いは以下のとおりです。


項目

社会保険

労働保険

主な制度

健康保険、厚生年金保険、介護保険

労災保険、雇用保険

対象となるリスク

病気・けが・老後・介護

労働災害・通勤災害・失業

主な届出先

年金事務所

労働基準監督署、ハローワーク

主な加入対象

一定条件を満たす従業員

雇用保険は一定条件を満たす従業員、労災保険は原則すべての労働者


外国人従業員を雇用する場合も、原則として日本人従業員と同様に加入要件を満たせば各保険への加入が必要です。それぞれの加入条件や手続きを確認し、適切に対応しましょう。


社会保険への加入が必要になる理由

社会保険への加入が必要になるのは、従業員本人の医療費負担や老後の年金、病気やけがで働けない場合の生活を支えるためです。外国人従業員も日本で働き生活する以上、病気、けが、出産、老後などのリスクに直面する可能性があるため、制度による保障を受けられる体制が求められます。


また、企業にとっても社会保険の適切な加入は、法令遵守や労務管理の信頼性にかかわります。未加入や手続き漏れがあると、後から保険料の納付や是正対応が必要になる場合があるため、採用時点で加入要件を確認しておくことが大切です。



外国人が加入する主な保険制度

外国人従業員が加入する保険には、健康保険や厚生年金保険のほか、雇用保険、労災保険、介護保険などがあります。ここでは、外国人が加入する主な保険制度について解説します。



健康保険

健康保険は、業務外の病気やけが、出産、死亡などに備える医療保険です。外国人従業員であっても、健康保険の適用事業所で常時使用される場合は、日本人従業員と同じく加入対象になります。


加入すると、医療機関を受診した際の自己負担を抑えられるほか、一定の要件を満たす家族を被扶養者として追加できる場合があります。企業は、雇用形態や労働時間を確認し、対象者について資格取得手続きを適切に進める必要があります。


厚生年金保険

厚生年金保険は、老齢、障害、死亡などに備えて年金給付を受けるための制度です。適用事業所に常用的に使用される70歳未満の従業員は、国籍や性別、年金受給の有無にかかわらず、原則として被保険者になります。なお、70歳以上の人は原則として厚生年金保険の被保険者にはならず、健康保険のみの加入となるケースがあります。


外国人従業員の場合、将来帰国する可能性があっても、加入条件を満たす限り厚生年金保険の対象です。企業は健康保険とあわせて資格取得届を提出し、社会保障協定や脱退一時金の制度も必要に応じて案内できる体制を整えておくことが大切です。


雇用保険

雇用保険は、失業時の生活安定や再就職支援、育児休業・介護休業などに関する給付を行う制度です。外国人労働者も、1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがある場合は、原則として雇用保険の被保険者になります。


また、外国人を雇い入れた場合や離職した場合、事業主には外国人雇用状況の届出義務があります。雇用保険に加入する場合は資格取得届とあわせて手続きできるため、在留資格や在留期間も確認しながら進める必要があります。


労災保険

労災保険は、業務中や通勤中のけが、病気、障害、死亡などに対して給付を行う制度です。労働者を1人でも雇用する事業は労災保険の適用事業となり、外国人労働者にも日本人と同様に適用されます。


正社員だけでなく、パートやアルバイトなどの雇用形態でも、労働者として働いていれば保護の対象になります。企業は加入手続きだけでなく、外国人従業員が事故発生時の申請方法を理解できるよう、多言語資料の活用や安全教育も行うことが重要です。


介護保険

介護保険は、介護が必要になった人を社会全体で支えるための制度です。被保険者は65歳以上の第1号被保険者と、40歳から64歳までの医療保険加入者である第2号被保険者に分かれます。外国人従業員でも、医療保険に加入している40歳以上65歳未満の人は対象になります。


40歳に到達すると介護保険料の負担が発生するため、給与計算や社会保険料控除の処理に注意が必要です。特に外国人従業員には制度の目的が伝わりにくい場合もあるため、健康保険とは別に介護保険料が発生する点を丁寧に説明しておくと安心です。



外国人の社会保険加入条件

外国人従業員の社会保険加入可否は、国籍ではなく勤務先や労働条件によって判断されます。健康保険・厚生年金保険、雇用保険それぞれで適用要件が異なるため、企業は正しく確認することが重要です。ここでは、外国人の社会保険加入条件や対象外となるケースについて解説します。


健康保険・厚生年金の加入条件

健康保険・厚生年金保険は、適用事業所で常用的に働く従業員が加入対象です。正社員に加え、パートやアルバイトでも、次のいずれかに該当する場合は加入が必要となります。


  • 週の所定労働時間と1カ月の所定労働日数が通常の労働者のおおむね4分の3以上

  • 週20時間以上勤務、月額賃金8.8万円以上、2カ月超の雇用見込みがあり、学生ではない


企業は雇用契約書や勤務実態を確認し、加入対象かどうかを適切に判断することが重要です。


雇用保険の加入条件

外国人従業員も日本人と同様に、次の条件を満たす場合は雇用保険の被保険者となります。


  • 1週間の所定労働時間が20時間以上

  • 31日以上雇用される見込みがある


パート・アルバイトを含め、条件に該当する場合は加入手続きが必要です。


また、外国人を雇い入れた際は、雇用保険の加入対象かどうかによってハローワークへの届出方法が異なります。資格取得手続きとあわせて外国人雇用状況の届出を行う場合もあるため、在留資格や在留期間も確認しておきましょう。


加入対象外となるケース

社会保険や雇用保険は、すべての外国人従業員が対象となるわけではありません。例えば、健康保険・厚生年金では、次のような場合は加入対象外となることがあります。


  • 2カ月以内の雇用契約で、更新により2カ月を超える見込みがない人

  • 臨時に雇用される人

  • 短時間労働者で加入要件を満たさない人


雇用保険も同様に、次の条件に当てはまる場合は原則として加入対象外です。


  • 週の所定労働時間が20時間未満

  • 31日以上の雇用見込みがない


加入の可否は国籍ではなく、雇用契約の内容や働き方によって判断されます。


留学生アルバイトの取り扱い

留学生アルバイトを雇用する場合は、社会保険の加入条件だけでなく、在留資格上の就労制限も確認する必要があります。留学の在留資格では、資格外活動許可を受けていれば雇用できますが、就労時間や活動内容に制限があるため、採用前に在留カードや許可の有無を確認しましょう。


雇用保険では、昼間学生は原則として被保険者になりません。ただし、卒業見込みで卒業後も同じ事業所に勤務する予定がある場合や、休学中、夜間・定時制など一定のケースでは対象になることがあります。学生という名称だけで判断せず、在学形態と雇用条件を確認することが重要です。


短期滞在者の取り扱い

短期滞在の在留資格は、観光、親族訪問、会議参加、業務連絡などを目的とする在留資格であり、原則として日本で雇用されて報酬を受ける就労活動はできません。そのため、企業が従業員として雇用し、社会保険の加入対象として扱う場面は通常想定されにくいといえます。


また、国民健康保険でも、短期滞在の在留外国人は被保険者にならない扱いとされています。採用時に在留資格が短期滞在であることが分かった場合は、雇用契約を進める前に就労可否を確認し、必要に応じて在留資格変更の要否を確認する必要があります。



外国人を雇用したときの社会保険手続き

外国人従業員を雇用した際は、入社時だけでなく扶養追加や退職時にも社会保険の手続きが必要です。ここでは、外国人を雇用したときの社会保険手続きについて解説します。



健康保険・厚生年金の加入手続き

外国人従業員が健康保険・厚生年金の加入対象になる場合、事業主は「被保険者資格取得届」を日本年金機構へ提出します。適用事業所に常時使用される人は、国籍や性別、賃金額に関係なく被保険者となるため、外国人であることを理由に手続きを省略することはできません。


手続き時には、氏名や生年月日、基礎年金番号またはマイナンバーなどを確認します。マイナンバーを持たない短期在留外国人などは、旅券や在留資格を確認できる書類の写しが必要になる場合があるため、入社時点で必要書類を整理しておくことが大切です。


雇用保険の加入手続き

外国人従業員が雇用保険の加入対象になる場合、企業は「雇用保険被保険者資格取得届」をハローワークへ提出します。手続きでは、氏名、生年月日、雇用開始日、賃金、所定労働時間などに加え、外国人従業員の場合は在留資格や在留期間などの情報も確認します。


雇用保険に加入しない外国人を雇い入れた場合でも、在留資格「外交」「公用」および特別永住者を除き、外国人雇用状況の届出が必要です。加入対象者と対象外の従業員で手続き方法が異なるため、採用時に在留カードの記載内容と雇用条件を照合し、提出漏れがないように管理しましょう。


扶養家族を追加する場合の手続き

外国人従業員が家族を健康保険の被扶養者に追加する場合は、「健康保険被扶養者(異動)届」を提出します。被扶養者の追加、削除、氏名変更などがあった場合に使用する届書で、配偶者を扶養に入れる場合は国民年金第3号被保険者の手続きとあわせて行うケースもあります。


扶養認定では、続柄や収入状況、同居・別居の状況などを確認されます。海外に住む家族を扶養に入れる場合は、国内居住要件や海外特例要件の確認が必要です。原則として被扶養者は日本国内に住所を有していることが求められますが、海外転勤への同行家族など一定の要件に該当する場合は認定されることがあります。


退職時の手続き

外国人従業員が退職する場合、企業は健康保険・厚生年金について「被保険者資格喪失届」を日本年金機構へ提出します。提出時期は、退職などの事実発生から5日以内とされています。退職日や資格喪失日を誤ると、保険料計算や保険証の取り扱いに影響するため注意が必要です。


また、雇用保険に加入していた外国人が離職する場合は、雇用保険の資格喪失手続きとあわせて、外国人雇用状況の離職届出も必要です。退職後に日本を離れる従業員には、脱退一時金や住民税などの説明が必要になる場合もあるため、退職前に案内事項を整理しておくと対応がスムーズです。



外国人雇用で知っておきたい制度

外国人雇用では、社会保障協定や脱退一時金など、通常の社会保険手続きに加えて理解すべき制度があります。ここでは、外国人雇用で知っておきたい制度について解説します。



社会保障協定

社会保障協定とは、日本と他国の間で締結される社会保険に関する協定です。海外赴任や国際的な人材移動が増える中で生じる「社会保険料の二重負担」や「年金加入期間の不足による受給資格喪失」といった問題を解消することを目的としています。


たとえば、日本から協定締結国へ一定期間派遣される従業員は、日本と派遣先国の両方で年金保険料を支払う必要がなくなる場合があります。また、両国の年金加入期間を通算できるケースもあり、将来的な年金受給権の確保につながります。外国人従業員を雇用する企業は、出身国が社会保障協定の対象国かどうかを確認しておくことが重要です。


社会保障協定のメリット

社会保障協定を活用すると、外国人従業員や海外派遣者の社会保険料負担を整理しやすくなります。例えば、


  • 派遣期間中は日本または相手国のどちらか一方の制度に加入する

  • 年金加入期間を日本と相手国で通算できる場合がある


このような仕組みにより、企業と従業員の負担軽減につながります。


また、年金通算の対象となる協定国では、加入期間を合算して受給資格を判断できるため、海外勤務や帰国を予定する人材も将来の年金に関する不安を抑えやすくなります。


脱退一時金

脱退一時金とは、日本で国民年金や厚生年金に加入していた外国人が帰国した際に、一定の条件を満たすことで支払った年金保険料の一部を受け取れる制度です。日本で短期間働いた外国人が、将来日本の老齢年金を受給できないまま帰国する場合の救済措置として設けられています。


外国人従業員の中には「帰国後に年金が無駄になるのではないか」と不安を抱く人もいますが、脱退一時金制度があることで一定額の払い戻しを受けることが可能です。企業担当者が制度を理解し説明できるようにしておくことで、社会保険加入への理解促進にも役立ちます。


脱退一時金の受給条件

脱退一時金を受給するには、次の条件を満たす必要があります。


  • 日本国籍を有していない

  • 公的年金制度の被保険者ではない

  • 厚生年金または国民年金の加入期間が6カ月以上ある

  • 日本国内に住所を有していない


さらに、老齢年金の受給資格期間である10年を満たしておらず、被保険者資格を喪失した日から2年以内であることも要件です。


なお、資格喪失日に日本国内に住所があった場合は、その後初めて日本国内に住所を有しなくなった日から2年以内であることが求められます。



外国人の社会保険で企業が注意すべきポイント

外国人の社会保険対応では、入社時に次のような項目を確認しておくことが重要です。


  • 在留資格

  • 就労時間

  • 雇用形態


氏名や生年月日、在留カード情報に誤りがあると、社会保険や雇用保険の手続きに支障が生じるおそれがあります。


また、退職時は資格喪失手続きに加え、外国人雇用状況の届出や脱退一時金の案内が必要となる場合もあります。担当者任せにせず、入社から退職までの確認項目を標準化しておくことが大切です。



外国人の社会保険を正しく理解して適切に対応しよう


外国人従業員の社会保険対応では、国籍ではなく勤務先の適用状況や労働時間、雇用契約の内容に応じて加入可否を判断することが重要です。健康保険・厚生年金保険、雇用保険、労災保険、介護保険はそれぞれ目的や加入条件が異なるため、入社時点で必要な確認を行う必要があります。


また、外国人雇用では在留資格や在留期間の確認に加え、社会保障協定や脱退一時金など特有の制度への理解も欠かせません。手続き漏れや説明不足を防ぐためにも、入社時・在職中・退職時の対応を社内で整理し、法令に沿った雇用管理体制を整えましょう。



~弊社のサポート内容~

株式会社グローバークスでは、以下のサポートを通じて、特定技能者の受け入れとその後の定着を全面的に支援します。


●書類準備と手続き代行:ビザ申請や労働契約など、必要な手続きを迅速に行います。

●入国後の生活サポート:住宅の手配や生活面でのフォローを行い、特定技能者が日本の環境に早く馴染むようサポートします。

●定期的なフォローアップ:定期的に面談を実施し、特定技能者が安心して働けるようにサポートを続けます。

● 8カ国語対応:日本語、英語、中国語、ベトナム語、シンハラ語(スリランカ)、ビルマ語(ミャンマー)、タガログ語(フィリピン)、インドネシア語で対応いたします。


外国人労働者が日本で活躍できる環境づくりを目指し、人手不足の解消と企業の成長に向けて、心を込めてサポートさせていただきます。貴社のニーズに合わせた最適な人材のご紹介ができるよう、全力でお手伝いさせていただきます。

もし、ご質問やご相談がありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。



▼ お問い合わせページへはこちら ▼



bottom of page