top of page

ベトナム人材ってどんな人?日越両国にルーツを持つスタッフがベトナム人材の特徴を解説

更新日:2024年12月20日

近年ますます注目を集めるベトナム人材が持つ強みや、日本企業での活躍について、文化的背景も交えてお伝えします。ベトナム人材の特徴は、日越両国にルーツを持つ私が詳しく解説いたします。これを通じて、ベトナム人スタッフが日本の職場でどのように貢献しているかを一緒に探っていきましょう。



ベトナムの基本情報

ベトナムは東南アジアのインドシナ半島部にある国で、「ベトナム社会主義共和国」と正式に称されます。北は中国、西はラオス、カンボジアがあり、東は南シナ海に面しています。

ベトナムの現地状況についてさらに詳しく知りたい方は、ベトナム出張記をご覧ください。

日本とベトナムの位置を示すアジア地図。

公式名称

ベトナム社会主義共和国

面積

約33万平方キロメートル(日本の面積の約90%)

人口

約1億30万人

首都

ハノイ

民族

キン族(越人)が約86%で、他に53の少数民族が存在

言語

ベトナム語

宗教

仏教(80%)、カトリック、カオダイ教など

ベトナムに54種類もの民族が暮らしていて、国境付近で昔周辺国からベトナムに入ってきた民族がそのまま住み着いたとも言われています。しかし、都市部をはじめとしてその大多数はキン族が占めています。そのためベトナム人と言えば、キン族がメインの国民性となるといえるでしょう。

ベトナムの街並みで花を運ぶ人々。

豊かな自然環境、歴史的な遺産、そして豊かな文化で知られています。近年経済成長が著しく、観光地としても人気があります。


ハロン湾の美しいカルスト地形と浮遊する家屋や船。


ベトナムの街道に掛かるランタンと美しい花が咲く風景。

ベトナムの水上マーケットで商品を売る人々と、その生活風景。



ベトナム人を採用する前に国民性を知って理解を深めたい


1.ベトナム人材の特徴

ベトナム地域ごとの違いを皆さんはご存知でしょうか?地域ごとの性格を把握することで、今後のベトナム人を採用する際のポイントにしてみてください。

ベトナム人と言っても、習慣、文化、文化的性格、食べ物、気候、方言など多くの点で、地域による差異がみられます。私の両親はベトナム南部のホーチミン出身ですが、各地方の交友関係において、南部はフランクに初対面から接しやすいため広くつながりさっぱりとした関係です。北部は初対面だと慎重になりながら警戒されますが、そのあとは家族のような親密な関係になります。日本人の目線として、以下ベトナム人の性格と特徴をまとめてみました。事前に性格と特徴を知ることで、実際ベトナム人と関わるときにギャップが生まれず、友好な関係を築くことができるでしょう。


 

ベトナム北部

北部の人はロジカル、計画的、真面目な人が多いです。初めはあまり愛想がないなと感じることもあるかもしれませんが、一度親しくなった人との繋がりを大切にするため、心を開いてくれた人は心強い見方となってくれるでしょう。心を開くまでには警戒心が強かったと物事において我慢強く堅実的な性格の人が多い傾向にあり、お金の使い方も支出に積極的ではない人が多いと聞きます。

 

ベトナム南部

南部の人の特徴としてよく言われるのは、細かいことは気にせずのんびり、おおらかでよく笑うということ。新たに出会ったばかりでもすぐに打ち解けられる明るさと柔軟性を持っています。それは素直で外向的ということでもありますが、衝動的で後先を考えない部分があります。とにかく楽しいことが好きな傾向にあるホーチミンの人たちにとっては何かしら理由をつけてはパーティーを大勢で行う、お金の使い方も大雑把、貯金ができない人が多いと聞きます。

 


2.日本人との違い


文化と価値観について

個人主義 vs. 共同体主義 日本人は共同体の中での調和や協力を重んじる傾向が強く、団体行動・責任の考えが強い一方で、ベトナム人は家族やコミュニティとの絆、個人の意見を重視する傾向があります。私が監理団体で勤務していた際、日本人企業から以下のようなご相談を頂きました。


 

体調管理について

日本では体調を崩さないよう自己管理として徹底し仕事に支障が出ないように、団体行動に迷惑をかけないよう心掛けている。かつ、それが日頃の生活態度や仕事に対する姿勢の評価にもつながっているようにみえる。それに対して、ベトナム人にとって体調不良は自然に起きることなのでしょうがない、我慢してまで行くことではない、少しの体調変化が起きたら自分の健康を優先して仕事を休むことに惜しまない。という光景がよく見られました。日本人にとって休まないことが大前提ですが、ベトナム人にとっては当たり前ではないため頑張って毎日仕事に行っても目に見える評価がなければ休んでもいいじゃないかと考えます。そのため、皆勤手当など、目に見える評価があればベトナム人は納得して理解をしてくれるのではないだろうかと考えます。

 

声の大きさと周りへの配慮について

ベトナム人は陽気で話すことが好きな人が多いため、比較的すぐに打ち解けられるでしょう。

一方で、話すときの声のボリュームに驚いたことはありませんか? 勤務時間内にてベトナム人同士の会話音量を注意しても改善しない、テレビ通話をしているようだがその携帯の音量と声の大きさがとてもうるさくご近所様からの苦情。そういった相談が多々ありました。その背景には、ベトナムのバイク文化が関係しているのかもしれません。道はバイクで埋め尽くされ、クラクションにおいては鳴り放題です。外にいても家の中にいてもバイクのエンジン音や自動車のクラクション音の雑音が響きます。そういった影響で、無意識に相手に聞こえるようにと声が大きいのかもしれません。次第にそれが習慣となり、彼らにとっては普通の音量となっています。彼らにとっての普通に対して私たちが思う普通をいきなり押し付けるのではなく、そういった背景を知って理解してあげることで、私たちの注意の仕方も変わると思います。郷に入っては郷に従えではないですが、一方的に日本のルールを押し付けるのではなく彼らの背景を知ることで少しでも友好な関係を築けることができます。

このように、団体意識の強さや状況を察して環境に応じた対応をとる日本人と比べると、ベトナム人は個人主義、人に迷惑をかけないといった意識は日本人より低いため、初めのうちは戸惑う方もいるかもしれません。

 


ベトナム人を雇用するメリット

特定技能人数の国別割合を示す円グラフ。ベトナムが最多の97,485人、次いでインドネシア25,337人、フィリピン17,660人、中国11,402人、その他21,205人。

ベトナム人特定技能の人数は2023年には最多の97,485人。特定技能で働く外国人の内、半数以上はベトナム国籍となるほど多くのベトナム人が特定技能で働いているのです。

「日本に来ているベトナム人は出稼ぎに来ている」という言葉をよく耳にします。実際に発展途上国であるベトナムの給料は日本に比べて低いですが、ベトナムの経済成長は著しく、最低賃金の引き上げと共に平均年収も上昇しています。

外国人技能実習制度が始まってからベトナム人実習生の来日が増えた2012年~2019年のベトナムでの平均月給は日本円で2~3万円相当です。当時の彼らは、日本に技能実習生として来日して月々10~15万円の仕送りをしていました。ベトナムでは、日本よりご近所との付き合いが非常に強いです。技能実習として日本へ行った家庭は次々に家を建て替え、村一番の豪邸にする流行がありました。そのため、一気にベトナム国内では「日本へ行けばお金持ちになる。豪邸を建てて、車を買って、起業もできる」となり、各家庭で自分の子供を日本へ行かせたり、高校卒業と同時に村全体の同級生とともに日本へ出稼ぎに行く人が急増しました。

給料水準が低いので、お金を稼ぐために来日したベトナム人が多くなった一方で、2020年以降のベトナムでの平均月収は5~7万円相当まで上がっています。それと同時に、日本でのコロナ渦の収入減少、日本国内の物価高騰のため以前のような月々に10~15万円仕送りをするのは非常に大変です。また、円安が続いているため月々に15万円以上は仕送りにあてないとコロナ前のような円の価値がありません。実際、彼らの日本での手取り額で15万円仕送りするのは難しいことです。

しかし、ベトナム母国にいる家族はそのようなことは知りません。彼らに期待をして待っています。そのため、食費をけずったりするなどと節約をしてなんとか月々仕送りをしている人が多いです。



1.長く働いてもらうには

それはズバリ、賃金を上げてあげることです。彼らは母国にいる家族のために働いているのがほとんどです。彼らが会社を選択する際に重視する条件は給与の金額・残業が多いかです。既にベトナム人材を採用している企業はお分かりかもしれませんが、彼らは仕事の能力が高く、違う職種からの転職でも仕事の覚えが早いです。ベトナムでは子供のころから親の仕事を手伝う光景があります。農業や建設といった力仕事を幼い頃から経験している人が多いため、日本に来てからも戸惑いなく仕事をすることができ、新しい仕事への適応力は他国の人と比べて早いと感じます。いろいろなベトナム実習生を見てきた私が、感じたことと企業様によく相談されていたことをまとめてみました。

ベトナム人視点

日本人企業側視点

  • 一日でも早く仕事を覚えたいからもっと教えてほしい

  • 1つ1つの工程を丁寧に行う。1つの工程をマスターするまで待つ

  • 仕事の効率を重視するため、教わった順序で行うのではなく自己流のやり方をつくる

  • 物をつくるにあたって、意味があって順序があるため守ってほしい

  • 雨の日に仕事が休みになる場合、休みではなくなにか倉庫の整理や掃除でもなんでもいいので仕事を与えてほしい

  • 雨の日はほかの日本人従業員たちも休みになるため、公平に休んでほしい。体を休めてほしい。

  • 残業したい。残業がたくさんあるほど嬉しい。土日祝日も働きたい

  • 現状、日本では残業を推奨されていない。他の日本人従業員も残業しない方向性でいるため残業はない


2.ベトナム人採用のコツ、注意するべきポイント!

毎回面接時に私が伝えているポイントやベトナム人労働者の特徴性格です。


メリット

デメリット

未婚者

  • 18歳からの比較的若い人材が多い

  • 将来会社に長く残ってくれる可能性が高い

  • 若くて仕事や日本語の吸収が早い

  • 転職または失踪率が高い。

  • 自分のプライベートを優先するときがあり、急な休みなど当日の朝に休みの連絡をいれる

既婚者

  • 家族と子供のために何が何でも一生懸命頑張る

  • 業種によって経験者が多い

  • 家族のためを思うばかり、賃金交渉が多い

  • ある程度年齢が高い人材だと日本語の覚えが悪い場合がある。コミュニケーションをとるのが非常に難しい

未婚者の転職または失踪率について高いのは、既婚者に比べて守るものが比較してまだ少なく身軽なため、合わないと感じたらすぐに転職をしてしまいます。最悪の場合、失踪という道も少なくはありません。考えが非常に浅い印象です。その点においては、既婚者だと責任感が強く家族を守るためや、ある程度年齢が高いと深く考え行動も慎重なのです。

こういった点も踏まえて、ベトナム人材を選択するのはどうでしょうか。

日本とベトナムの両方の視点から、企業様と労働者の間に入り、微妙なニュアンスを理解して問題解決に向けてサポートさせていただきます! 是非、ベトナム人との協力を検討してみてください!



ベトナム人を受け入れたい企業様へ

ベトナム人材 国内・国外OK !

★ 留学生で日本語の学校卒業、日本語を学んで日本語ビジネスレベル話せる方

★ 外食、介護、農業、建設、製造の特定技能資格を持つ方

★ 日本で留学または技能実習後にベトナムに帰国し、再び日本でのお仕事を希望する方

★ 日本人配偶者、永住などといった中長期のビザを取得している方


ベトナム人含む日本国内外人材採用をご検討している企業様、お気軽にお問い合わせください♪

弊社は出入国在留管理庁認定の登録支援機関として、受け入れサポートや入社後のサポートも実施いたします。(5カ国語対応)どんなご要望にもお応えできるよう、心を込めてサポートさせていただきますので、お気軽お問い合わせください。



▼ お問い合わせページへはこちら ▼

■ この記事を書いた人

西原 詩香(にしはら しいか)

株式会社グローバークスのリクルーティングアドバイザー西原詩香氏、駅のホームに立つ様子

株式会社グローバークスのリクルーティングアドバイザー。生まれも育ちも日本の日本国籍だが、両親がベトナム出身。幼少期から家庭ではベトナム語で会話していたため、ベトナム語もネイティブレベル。毎年1回はベトナムに帰省しており、ベトナムの文化・慣習にも精通。

そのような背景から、日本在住のベトナム人を支援したいと考え、日本語教師の資格を取得。その後、監理団体に入社し、ベトナム人技能実習生の翻訳通訳及びサポート、来日後の生活指導、日本語教育に従事。

その後グローバークスに入社し、自身のルーツを強みに、企業と外国人財の架け橋になることを目指している。



bottom of page